網羅航路(ジグザグ)設計におけるオーバーラップ率と精度の関係
広域測量、農薬散布、災害状況把握において、指定されたエリアを最短経路でカバーする「ジグザグ航路(網羅航路)」の設計は、 空中写真測量の精度を決定づける最重要工程である。特にSfM(Structure from Motion)解析においては、 単なる網羅性だけでなく、各画像間の自己相似性を担保するための幾何学的制約が課される。 本稿では、GSDの定義からラップ率に基づく航路間隔の算出までを定量的に整理する。
1. GSD(地上画素寸法)と撮影高度の定量的関係
成果物の水平・垂直分解能を左右する最小単位がGSD(Ground Sample Distance)である。 イメージセンサーのピクセルピッチを \( p \)、焦点距離を \( f \)、対地高度を \( H \) とすると、GSDは以下の式で算出される。
実務上は、要求される精度(標定点なしでの絶対精度や相対的な点群密度)から逆算して最大許容高度 \( H \) を決定する。 ピクセルピッチ \( p \) はセンサーの物理幅 \( a \) を有効画素数(水平解像度) \( L \) で除した値を用いる。
2. ラップ率に基づく撮影間隔およびライン間隔の算出
高精度3Dモデリングでは、進行方向オーバーラップ率(Overlap)を \( \eta_{front} \)、 隣接コース間のサイドラップ率(Sidelap)を \( \eta_{side} \) とし、通常は \( 80\% / 60\% \) 以上の設定が推奨される。 フットプリント(画像1枚の撮影範囲)の縦を \( L_v \)、横を \( L_h \) としたとき、設計すべき各間隔は次式で定義される。
コース間隔(ライン間隔)の決定
撮影地点間隔(シャッター間隔)の決定
当サイトの生成アルゴリズムでは、機体の対地速度 \( V \) に対し、 シャッターインターバル \( t = D_{shot} / V \) がカメラ側の最小書き込み時間(サイクルタイム)を下回らないよう、 速度制限または高度調整のフィードバックを考慮したウェイポイント生成を行う。
3. 旋回(ターン)アルゴリズムと未撮影領域の抑制
ライン終端における180度旋回(Uターン)では、慣性によるオーバーシュートや、 旋回中のロール・ピッチ変動によるカメラ画角の逸脱がリスクとなる。 本ツールでは、コース外に十分な余裕を持たせた旋回開始点を算出することで、 次ライン進入時の直線飛行安定性を確保し、エリア端におけるデータの欠損を防止している。
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